●Pepper's Project Exhibition 「Psychological サイコロジカル展」
  1999.1/31sun 前山京子「MASHED HOSPITAL」― 分解と融合
         インスタレーション+映像

一般に、患者と呼ばれる病院の住人たちは、日々何を考えているのだろう。―日常の生活とはかけ離れた、規則正しく、隔離された状況の中で―それは一見、苦痛のように思えるが、必ずしもそのような状態だとは言いきれない。
ともすれば、今までの生活からの脱却により、静寂した安堵感を抱いている者がいるかもしれない。もしくは、今まで感じ得なかった事や、気がついていなかった事に気づき、人生の方向性がかわる者もいるかもしれない。
病院という、彼らの複雑に交差した世界を表現することで、自分なりに、その世界を考えてみたくなった。
作品形態としては、何のヘンテツもないブロック状のものを並べたにすぎないのだが、あえて、ただの四角を作ることに意味があるような気がした。それはテーマである「病院」という所から、区画されたベットや病棟のようでもあり、また、タイトルの「MASHED HOSPITAL」というイメージは、様々な病原菌(あるいは患者の思想、精神)をすりつぶして(MASH), 再び別の物体を作り出すことで、まったく異なる時間と空間に置き換える事ができないかという所から発展していく。しかしながら、見る側に、そのイメージを押し付けるつもりはない。
これらが、巨大な羊羹の群集に見えたとしても、それはそれで、人それぞれの感じ方なのだ。
希望を言えば、この作品によって、何かを想像してもらいたい。
個々の世界を感じてもらえばうれしいと思っている。
前山京子


長方形のギャラリーの空間の中央にビデオプロジェクターが置かれた。
その両側に白い布に包まれたマッシュドされたいくつもの巨大な羊羹が均等に置かれ、
イスラミックな音楽がながれていた。
来場者は彼女の指示に従い、おもいおもいに白い布(臨終にかぶせる、あるいはお骨を包む布を想わせる)の結び目をほどき羊羹を取り出した。
その樹脂で出来た羊羹のさまざまな表情に目を近づけたり、それをなでたりする。
そして病院をイメージ化した映像が打ち放しコンクリートのがさがさの壁に流れた。
インスタレートされた作品、映像、参加者を含めて空間化した不思議な時間が流れた。
Pepper's Hiro