Pepper's Project Exhibition 「It's my Art Style」
●sataurday evening's workshop
8/12sat PM6:00~8:00
『sound performance』

出演: 1)堀内道彦・2)米本 実・3)川口賢哉+米本 実

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『sound performance』について

米本 実
今回のExhibitionでサウンドを担当した私は、最終日の8月12日に、サウンド・パフォーマンスを行ないました。日頃から音楽活動を共にしている即興演奏家の川口賢哉さん、作曲家の堀内道彦さんにも出演して頂きました。
『標本空間―Sampling―』というタイトルから、パフォーマンスも「サンプリング」をキーワードとしました。しかし、3組ともMacintoshやWindowsといったパソコンは一切使用せず、エフェクター、カセットテープといったシンプルなシステムで、音楽をその場で組み立てていくという方法をとりました。以下、当日のパフォーマンスの内容を説明します。
1)堀内道彦

私の挨拶と今回のパフォーマンスの説明後、堀内道彦さんが {zon}さんの作品の棚から3台の携帯用テープ・レコーダーを取り出すところから、パフォーマンスは始まりました。それらを床にセットした機材へ接続。それぞれのテープ・レコーダーに入ったエンドレス・テープへ、マイクとスピーカーで起こしたハウリング音、圧電マイクを叩いたり擦ったりする音、ラジオのノイズなどを、次々に録音して音楽を組み立てていきます。
最後は床に置いた4つのスピーカーにアルミホイルを被せ、スピーカーから発せられる音で、激しく振動させて終了。
2)米本 実

次に私が銀の缶を持って登場。蓋をあけて中から部品や工具を取り出します。コードレス・ハンダコテを点火!! 部品をハンダ付けしていき、その場で回路を組み立てていきます。コンセントにテーブル・タップを差込み、組み立てた回路を、そのテーブル・タップと、床にセットしてあった機材に接続。「ブー」という50Hzの低周波の音が会場内に響きます。その音の音程をエフェクターで変化させます。
このパフォーマンスのコンセプトは、コンセントに供給されている電気、つまり100Vの交流を音として聞き、その音を変調することにより、電線を通して東京電力とリアルタイムにセッションするということです。
3)川口賢哉+米本 実

99年4月から、川口賢哉さんとは、「川口賢哉+米本実」というユニットを組み、即興演奏の様々な形態を実験しています。
今回はその1つとして、川口さんの演奏するアルト・サックスの音をマイクで拾い、私が操作するエフェクター等の機器に取込んで変調させ、その音を川口さんが聞いて演奏、そしてまたその音を取込んで変調させるということを繰返しながら、音楽を組み立てていく形態をとりました。つまり音と演奏行為という2つフィードバックの関わりの中で、音楽がどのように変化していくかを試みたわけです。
最後は堀内さんが再び登場。100Vの音も加わり、3人で演奏して終了しました。

以上が今回のパフォーマンスについてですが、手伝って頂いたスタッフの方々のおかげで、大きなトラブルもなく、無事に終了することが出来ました。このような場を与えてくれた {zon}さん、ペッパーズ・ギャラリーのみなさんに感謝しています。有難うございました。