●Pepper's Project Exhibition
  Botany Exhibition "繁殖を始めた植物たち"

  PartI 花のある場所
  `98.12/1tue〜12/6sun
  [Pepper's Sunday Evening's Work Shop]
  12/6sun 衛藤壮市「Souichi Etoh Inclination」
  衛藤壮市が好んでいる色彩と音のインスタレーション

Outline of Botany
植物の生態について考えてみると面白いことに気が付く
多くの植物は種から目が生え花を咲かせて枯れていく
この現象の繰り返しによって長い歴史の中で多くの種が生まれてきたのである。
生物という巨大な枠組みでみると人間も同じように生まれては死んでいく
個々の時間は限定されており「はかない」とも言える。
そのはかなさが、実に美しく感じる事がある
草花に我々がであったときに様々な感情が現れる。
その感情を言葉に置き換える事は、人間の表現行為の一つである。
言語は左脳で知覚するが、絵画や音楽といった表現方法は右脳をよく使うと言われる。
つまり右脳を活性化させる事によって多くのイメージやシンボルを取り扱う事ができる。
知覚感情に内在するイメージをコントロールするための右脳が不可欠なのである
もちろん花の美しさを理解する為にも右脳の知覚が作用する

Workshop Concept
「私の好んでいる色彩と音」をテーマに紹介する。
それらの音や色のディテールは多義に及んでいるが
私好みと言う美意識的見地から見ると共通の要素でつながっている。
様々な情報が行き交う世の中で、本当に大切なものに出会うというのは
難しく、伝える事もやはり難しい環境にあると思える

今回、ご紹介するコレクションを通して
何かが伝われば本当に価値がある事だと思う
私自身が出会い、特別な魅力を感じたオブジェを通して
鑑賞者に精神的な安らぎをもたらし、
深遠な世界へいざなってくれることを願っている。

Program
1. 私の好む色彩     ここ数年に制作した作品を交えてご紹介
2. 私の好む音色    自演ピアノ演奏録音の鑑賞
3. S-Etoh Collection 作者が特別な魅力を感じた貴重なコレクション

今回のワークショップで、かねてからの夢だった事を実現させたいと思っています。それは、本当に個人的で小さなイメージだったのですが、、、
是非、ご覧ください
Souichi Etoh

S- Etoh Workshop は、
草花をテーマにした彼の作品と彼の愛するオブジェたちに包まれて静かに始まった。
S- Etoh 氏の今回の作品は、最近特に励んでいるピアノの練習時などにイメージされたそうで、和紙に描かれた水彩画は点在する花やつぼみのようでもあり、幾何学的な模様にも見え、彼独特の静かな時間と空気を感じさせられた。
彼の秘蔵のレコードやスピーカ等、年代物の名器の紹介を兼ねてのおしゃべりとレコード鑑賞は、不思議な一時となった。
どこかの教会の地下室の会合に足を踏み込んでしまった様な……その要因はもちろん彼の選曲と演出の影響によるところだが、革の前掛けを掛けたマイスターが自慢げにレコードを何度もひっくり返しては埃を拭き、針を落としては音を確かめている。そんな光景だった。
針が進む内に、時々洩れるかすれたようなノイズが、さらに時間の流れを鮮明にし、体を通過し壁に静かに浸透していく。
最後に、彼の今回の作品制作の原動力ともなった自演のピアノ演奏(録音CD)を聞いた。
彼の人柄同様、何処までも優しかった。
Pepper's Tamae